そのレースからは降りたんだ

毎年お盆に来てくれる人がいて、閉鎖を伝えると車中泊するからと言った。なら大丈夫でしょ、一緒に酒を飲む。「いやー、終わってしまいましたよー」「まあ、お疲れー」と話した。工場で働いていることを伝えて、今の自分の現状を話す。ある意味悲惨なやつ。10代の自分が聞いたら、きっと絶望で死ぬだろう。でも、リアルな40代の自分は諦めている。「金を稼ぐレースには終わりがないですね」と言った。

給料をもらうとなると、金は数字になる。自営業にはお金以上に信用とか、人間関係とかの価値があったし、経費とかを考えると数字だけでは測れない。給料にはそれがない。数字が大きいほうが偉い。でも、そのレースからはもう、降りたんだ。他人と比較しても仕方ない。例えば、今やってるライターの仕事も、人によってはアホくさくてやってられない仕事だ。でも、書くこと。それが金になるというダイナミズム。それに代わる快楽はない。

死なない程度に稼いで、皆から馬鹿にされたい。価値のないダメ人間で十分だ。俺には、カヤックとか、北海道ツーリングとか、登山とか、読書とか、それをベースにしたライターとか、ドローンとか、パラグライダーで飛んだ経験とか、ライダーハウスを通じて社会とつながる快楽とか、郵便局を退職するときの蛮勇とか、建築本能にまかせた謎建築とか、数々のライダーおもしろエピソードとか、美味しい料理とか、綺麗な滝、美しい景色、守りたい人、愛すべきコミュニティ、健康な体、ゴキゲン中飛車、保険屋で鍛えた精神、などなどがある。これら以上に価値のあるものを知らない。だから稼いだ数字を競うレースはそっちでやってくれ。そう思う。

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元ライダーハウス蜂の宿管理人のブログ

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