世界の端とその内側

「銃を撃ってみたい」と彼女Aが言った。そんな過激なことを考えていたなんて、ちょっと驚いたが、「いいじゃん」と肯定した。気持ちがわかるからだ。

銃なんて、ただの火薬発射装置に過ぎない。鉛弾がビューンと飛んで、人に当たって、殺傷する。違いはあれど、基本はこれ。そりゃマグナム弾とか9㎜パラペルムとか、いろいろあるだろうけど、その本質は人殺しの道具だ。

銃は人殺しの道具だから、多くの物語に登場した。さえないサラリーマンがやくざと浮気している妻のところに行く。ホテルの部屋では2人が絡み合っている。「なんでてめぇ!」「あなた!違うの!」銃を取り出す。バン!バン!・・・・・・バン!

カタルシスがある。フィクションを愛する私たちにとって、銃は慣れ親しんだイメージだ。一回リアルで撃ってみたいと思うのも当然だ。国内で撃つなら、自衛隊に入ったり、やくざの鉄砲玉になるしかないだろう。海外なら、やくざや自衛隊に入るより、楽で、安い。

東南アジアとか韓国とかハワイに行けばいいって話を聞いたことがある。「銃を撃つだけなら、ハワイは行きすぎじゃね?」と言った。「お前がビキニになるならいいけど」といったら「じゃあ、ハワイはやめよう」となる。韓国も今はちょっとおっかないし、どこがいいだろう?

「ベトナムで撃てるってきいたことがありますよ」と今コンビを組んでいるオルくんがいった。ベトナム!初めての海外はベトナムだった。最高の国だと思う。治安も良いし、親日だし、ごはんが美味い。現地ツアーも簡単に入れるし、今ならかなり日本語も使えるんじゃないだろうか?彼女連れで行くなら、最高の国の一つだと思う。

2人分の海外旅行費は、働けば稼げるだろう。自営業だったら不可能な話だ(どうしても、節約してしまうから)。しゃにむに働いて、がんがん稼いで、やりたいことをやりに行こう。

「マスターって、今年の冬は、いろんなとこ行きそうですね」

「いや、行かないよ」

「そうですか?」

昔、インドのガンジス川にいった話をする。ずっと行きたかったガンジス川の中に入った時、そこが自分の世界の端だと感じたのだ。世界の端は距離的な話ではない、文化とか、気持ちの問題だ。だから、ガンジス川以外の場所は、すべてこちら側と言うことになる。ガンジス川よりも遠い場所はもうないのだ。だから、そんなにいろいろ行きまくることはない。少し悲しいけど、そうゆう場所があるってのは幸せなのだ。

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