自分の物語を語れ

「心を開かない人に、心を開く人はいないよ」ー郵便局の研修で同室だった先輩の言葉

今、仕事で組んでいる相方は、おだやかなんだけど、反面覇気にかけるというか、仕事へのガッツは見られないって人で「まあ、若者ってそんなものかな?」と考えていた。季節労働の肉体労働である。この仕事に一生をかけようってのは、40過ぎの私とかぐらいなのかもしれない。あくまで、楽に稼げるおいしいバイトとしか考えていないのだろう。

が、しばらく一緒に働いてみたら、ちゃんとやることはやるのだ。問題があるとは思えない。仕事へのガッツは表立って見られないってだけで、ちゃんとやる気はある。以前、たまねぎの加工工場で、サボることしか考えていない派遣社員を見たことがあるけど、雲泥の差だ。もっとやる気を前面に押し出した方が、いろいろ得をすると思うけど、そうはしないだけ。人からの評価など、どうでもいいと考えているのだろう。

「損するよなあ」と感じた。仕事はポジションの奪い合いである。自分のやりたいポジションがあるなら、やる気を見せてアピールする必要があるのだ。人を押しのけ、責任者の視界に入って、がんばりを表現するのが普通じゃね?と私は思う。そして、休憩時間に「この仕事どうだい?」と聞いた。

じつはこの仕事を気に入っているらしい。「じゃあ、もっと責任者にアピールしなさいよ」とアドバイスする。来年もやりたいなら、どうしてそうしないのだろう?気になったので、生い立ちを聞いてみた。それがすごかった。

「父親がギャンブル狂いとDVで4歳の時、冬にパチンコ屋の外で父親を待たされたことがあります」

「朝の門明け、掃除はかならずやらなければならず、お風呂も父親が帰ってきたら湧いてなければいけなかったので、常に蛇口を使って温度を見ていました」

「世間体をすごく気にする人で、母親が働くのはみっともないから、働かせない」

「とても細かい偏屈な人間で、家計をすべて管理していた、レシートもすべて記入」

「お前は兄の予備、ということでご飯もあまり食わせてくれない」

「成績は3だったら殴られる」

「パチンコで負けたら暴力、だから僕はギャンブルが嫌いです」

・・・よく、生きてこれたなあ・・・がんばったなあ・・えらいなあ・・・と話を聞いていて思った。「でも、こんな話をすると『同情を誘ってる』と思われるのがイヤなんです」「いや、もっと話しまくった方がいい、そんなことをいうやつはカットすればいいんだ」

自分の物語を語るべきだ。ツイッターでもそうでしょ?他人は勝手に推測し、勝手に嫉妬して、勝手に非難する。それは情報の不足が招く食い違いなんだけど、どうしても普通って型にはめようとするもんなんだよね。しかたないよ、誰も他人の頭の中をのぞくことはできたい。

心を開かない人に、人は心を開かない。開け開け、語れ語れ。

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