民泊申請してみようと思いついた経緯

ライダーハウスを閉鎖して、1年。そろそろ自分の作った屋根を解体していく時だと思った。

心が痛む。ここをこわしてしまえば、いままでの快適性はなくなってしまうだろう。雨の日でも外にでて、読書や麻雀を楽しむことが出来たのもこの屋根のおかげだ。それでも、壊さなければいけない。

それでも壊さなければいけないのは、ここを有効な土地に変えるため。価値のある土地になれれば、きっと買い手も見つかるだろう。それは自分じゃないくてもいい。お世話になった大家さんの為にも、自分が作ってしまった部分は破壊するべきだ。それに、ここがあるからライダーハウスへの思いも断ち切れない部分がある。気持ちが閉鎖したときのまま、淀んでいる。流れない水は腐る。ダムをぶっ壊せ。その先に何があるのかわからないけど。

この時点で、想定している未来は
1.完全に解体して、土地を買いたい人が現れるのを待つ
2.もとからあった部分まで残して、自分はどこか別の場所に行く
というものだった。仕事もしなければいけない。ライスセンターや郵便配達、いまではフォークの免許もあるぜ。ライター仕事もぼちぼちやれば、死なない程度には食べて行けるだろうと。ただ、どの想定する未来も「・・・つまらない」という感想しか得られなかった。やはり仕事は人生だ。仕事が一番面白い。俺の仕事で多くの人を幸せにしたい。その答えはやっぱりライダーハウスなのだ。

ライダーハウスを壊しながら、ライダーハウスをやりたいと思っていた。どうやれば、ライダーハウスをやれるのだろう?思いつくのは、公的な余った設備(田舎の廃校など)を使わせてもらう方法。たしか、美瑛町にはまだまだそんな廃校があったはず。それを政治力を使って貸してもらったり、管理人として雇ってもらうとか・・・そんなことを考えていた。

どんづまりの思考のループにハマっていたころ来客があった。兄である。ゴミ捨てを手伝ってもらいながら話していたら「良い物件がある」と寄り道。近所にある一軒家だった。「売家」の看板があり、かなり値切れるという。早速その日のうちに電話して内見させてもらうことに。次の日に不動産屋と内見。築50年というちょっと歴史的な建造物だけど、電車に比べたら天国のようだ。なんといっても屋内にトイレがある。でも家だ。おいそれと買うなんてできないだろう。だから100万ほど値切ってみた。ぎりぎり怒られるかどうかのライン。その日の夜に持ち主と交渉した不動産屋から電話があり「オッケーです」との事だった。なんと2日で家を買うことが決まった。ダムが壊れた音が聞こえた。

ホッカイダーのクマさんもやってきた。隣町のライダーハウスだった物件で、新しい拠点を作っているのを知っていたので「木材いらないですか?」と聞く。だけど、向こうでも余ってるみたい。コロナでどうなるかみたいな話をする。ここを壊すことで、何かが始まるという話をする。漠然としたイメージだけど、クマさんはカメラマン、芸術家だ。その人の前では、漠然としたイメージも湧いてくるものなのだ。自分で話しながら(ああそうか、ここを壊すことで何かが始まるんだな・・)と初めて認識できた。

モーターパラグライダーの師匠もやってきてくれた。前面部がほぼなくなったライダーハウスを前に話をする。この人は郵便局を辞めてライダーハウスをするという28歳の自分に「いいじゃん!」と言ってくれた唯一の人だ。スーパーポジティブであり、自分の対人接客モードはこの人のパクリなのだ。そんな人だから「民泊やればいいじゃん!」と言う。ここを壊す前には考えられなかったけど、そうか、ひょっとしたら申請が通るかもしれない。なんといっても申請だけならお金はかからない。100万円の値引きができたように、自分の頭の中だけでは正しい結論なんてたたき出すことは不可能だ。現実に、社会に、要求をオーダーしなければならない。それをする前に諦めるなんて淀んでいる、腐っている。

山登りの師匠もやってきた。ことしの沢の話なんかをしながら「民泊申請してみようとおもう」と話す。「行けるでしょ」と言う。この人も楽天家で、一緒に山に登っては熊に追いかけられたり、山奥の藪の中で道に迷ったりしているのだ。とても過激な人なのだけれど、彼からみると自分の方が無茶らしい(自営業とか)そんな話をしたことがある。そして、もし、ライダーハウスが再開できれば、ライスセンターで働くことは難しくなる。でも10人もいればライター仕事と併業して収入は問題なくなるし、なにより夏、またこの人の企画に参加できるのだ。それは自分の人生においてとっても大事な事だとおもった。

解体しながら、今年のライスセンターのことを考える。とくに最初の2週間から1か月ほどは労働力は必要になるはずだから、ライダーを派遣するのは喜ばれるはずだ。問題はコロナの影響で、ライダーハウスはソーシャルディスタンスをキープしながら生活できるとしても、近所の目が心配だった。いい気持はしないだろうな。7月になっても、きっとコロナは収まらない。そんなことを考えていたら、隣のご夫婦がやってきた。「民泊申請して、ライスセンターに派遣するかもしれません。コロナなどの対策はできるかぎりやります」と話したら「どんどんやりなさい!」と励ましてくれた。昔からキャンプしながら働きに来る人がいるのは当然で、あなたはそれをやるべきだと。

基本個室やテント使いで、うがい手洗いの徹底をし、受け入れ人数を絞る。買い出しの時は少人数で、マスクの使用を義務づける。そうすることでライスセンターへの派遣は可能かと思います。それでも、怒られるのは避けられないし、衝突はあるはず。7月の時点で、社会がどれほどコロナを受け入れているかわからないけど、美瑛なら近くに旭川があり医療体制も強い。もう私たちはアフターコロナの時代に生きているのだから、そこらへんなんとかしないといけないんです。

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