家を買った

不動産屋がやってきて最終意思確認の日。近所の築半世紀を経過している民家を買う。「大丈夫ですか?」と何度も念を押されるが、意志は揺るがない。買う、家を買うぞ。といっても大した額ではないのだが、ここならたとえ足腰が弱ってもスーパーや病院に歩いていける距離なのだ。なにより構造が良い。屋根が正三角形だから居住スペースが小さい代わりに雪によるダメージが少ない。水回りは不安だけど、しっかりと断熱材が水道管に巻かれているし、そのまま使えるところの方が多いだろう。「値下げしたんだから文句は言わないでね!」という条件の契約書を渡される。明後日、手付金とハンコをもって会社に行くことになった。

ついでに不動産屋に今のライダーハウスの土地問題について聞いてみた。「地目変更は割と簡単にできますよ」「建物の登記ってどうするんですか?」「あー、土地建物鑑定士に依頼することになりますね」「それっていくらぐらいかかるんですかね?」「まあ、10万はかかるでしょう」10万か・・・・地目変更は大家さんにお任せするとしても、10万かけて電車とライダーハウスを登記する意味はあるのだろうか?儲かりもしない事業に何百万も投資するなんて、ちょっと意味が分からない。

それからやはり「電車の撤去費用が大変でしょう」との話になる。そのまま移動するにせよ、とんでもない移設費がかかってしまうし、解体するにせよ大変だ。基本的には木製のこの電車、シャシーはもちろん鋼鉄。こんなものを抱え込んでしまって、俺の人生大丈夫だろうか?とっても居酒屋で10年、それから住居として住んでいる。自分よりもこの電車にゆかりのある人間はいない。たとえ持ち主が大家さんだとしても、責任取るのは自分じゃないか?

気持ちは揺れ動く。買う、買わない。答えは出ないままだ。ライダーハウスの掃除はほとんど終わっており、あとは暇な時間を見つけて木材を処分するだけ。次の面接も決まったので、やるべきことも少ない。旭川まで行って温泉に入った。リラックスルームでうつろになる。その間も「何とかする道はないだろうか?」と考えていた。だれもが得をする道。自分と大家さんと利用者がメリットを感じるような細い細い道筋を探していた。

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